ノクターナル 東京女子流
2022年のベストアルバムは3枚ありましてシリーズで紹介しようと思います。
1つ目は東京女子流の7年ぶりのアルバム「ノクターナル」。
東京女子流はアルバムにイントロ曲を入れるのが定石で、
今回もアルバムを盛り上げるインストが1曲目に入っています。
注目すべきは「viva la 恋心」「コーナーカット・メモリーズ」の作曲家きなみうみ。
メンバーの新井ひとみと同い年でありながら、紡ぐ曲・演出する旋律は80’sやcitypop調。
きなみうみさんはSnow Manの「ミッドナイト・トレンディ」も手がけており、
売れっ子の作曲家です。
また、シングルカット曲もアルバムオリジナル曲が程よいバランスで入っており、
シングルカット曲を知っていても飽きない作りになっている。
特にアルバムオリジナル曲の「この雨が上がっても」「フライデーナイト」は、
smithお気に入りの2曲。
少女から大人の女性になったアイドルが歌うミドルテンポなPOPSは
ノスタルジアと哀愁を与えてくれる。
それは、デビューから12年の時が経ち、不遇の時代を乗り越えたからこそ出せる
色気から醸し出すものであり、
色気こそ、彼女達がデビュー曲から追い求めていきたものだった。
成熟した彼女達が魅せる色気はノスタルジアと哀愁の力を持って、
ファンを楽しませてくれるようになった。
日本ガールズグループは、”幼なさ”を大事にしている傾向にある。
大抵のガールズグループは幼なさが優っていて、若さを武器にした可愛いらしさに頼っており、
メンバーが大人になった時に、幼ない楽曲やキャラによって、
長続き出来ない状況に自ら追い込んでいるのが特徴的だ。
(例えばNegiccoなどは、その呪縛を乗り越えたからこそ子供が生まれても愛されるグループになったと思う)
東京女子流は、幼なさと色気のバランスの取れた完成度の高いグループになり、
幼なさだけを武器にする必要がなくなった。
若いのに大人っぽい楽曲を歌っていたギャップで勝負していない。
東京女子流は楽曲も歌もダンスもキャラも全て高次元で筋が通ったことをやっている。
本質的に良いものを届けようとしている。
これからも長続きしてもおかしくないグループに成長することができた。
これからもその力を大きくして、もっともっと楽しませてほしい。