フィロソフィーのダンス「ドント・ストップ・ザ・ダンス」は名曲になれるのか?

フィロソフィーのダンス「ドント・ストップ・ザ・ダンス」は名曲になれるのか?

2020年9月11日 0 投稿者: smith

作詞:ヒャダイン

作曲:murmur

編曲:佐々木聡作、mrmr

 

9/11にフィロソフィーのダンス、メジャーデビューシングル「ドント・ストップ・ザ・ダンス」MVが公開されました。

そのMVからsmith的観点で考察させていただきます。

 

フィロソフィーのダンスとは?

2015年結成の女性アイドルグループ

楽曲のクオリティの高さから各方面から注目を浴び、また、ルックスやダンスなど完成度の高いアイドルとして注目される。昨年12月新木場コーストにてメジャーデビューが発表され、コロナの影響もありながら、9月23日足掛け5年にしてメジャーデビューが決まる。

 

プロデューサーは氣志團や相対性理論をプロデュースした加茂啓太郎。

クリエイターとして、作曲には宮野弦士、作詞にはヤマモトショウ、振り付けにはYumikoが中心として携わり、楽曲によって他のクリエイターが参加する形をとっている。

 

メジャーデビュー発表後の騒動

昨年12月にメジャーデビュー発表後、フィロのスを人気グループへ押し上げた宮野弦士、ヤマモトショウが今後楽曲製作に携わらないことを発表しました。

突然の発表であり、楽曲/グループの方向性を握っていた二人だっただけにかなりのインパクトがありました

この騒動がファン達を不安にさせ、今後推せるアイドルなのか次の作品を確かめて見極めるしかなかったと思います。

半年以上待たされて、9/10ついに新曲がフル尺/MV発表されたわけであります。

このハードルが上がりまくった状態で、フィロのスファン歴4年半、ファンクラブも入り、何度もライブに通い、チェキも撮り、楽曲をギターでコピーするファンとして感想&考察させていただきます。

 

「ドント・ストップ・ザ・ダンス」を聞いたsmithの感想

ここからは主観的な表現となります。

最後まで読んでください。

 

 

 

正直、物足りない、、、、

批判的ですが、ファンなので愛を持って綴ります。

今回はアイドルにありがちクリエイター、演出側の問題です。メンバーは相変わらず最高!です。

 

 

 

物足りない。これに尽きます。

楽曲のジャンルは、音色やリズムやテンポなどから考えて、アシッドジャズ的アプローチでしょう。

これは宮野弦士時代にも多く存在し、「イッツマイターン」が良い例ではないでしょうか。

しかしながら、足りていない部分が多くある。

 

 

まず、テーマ

新曲のトラックには楽曲を印象付けるテーマがありません。歌詞の載ったメロディも大切ですが、イントロに「こういう曲だよ!」というテーマメロディが存在しません。ピアノ/シンセがリズムを弾いて、フェイクが入る。それだけです。

冒頭もコンプのかかったピアノが入り、なんともイヤラしい演出。

アイドル楽曲として重要なのはキャッチーであることです。「口ずさめる」「覚えやすい」ということが非常に重要です。

お洒落さが先行しすぎです。king gnuやsuchmosのようにお洒落を売りにした売り方ならいいんです。アイドルはお洒落であることは”土台”であってメインではない気がします。キャッチーさが命です。キャッチーさの奥にオシャレさが垣間見えるのが良いのです。

お洒落で売りたいならばアイドルから脱却すべきでしょう。アーティスト宣言もありです。東京女子流がアーティスト宣言して、売れなくて結局アイドルに戻ってきましたよね。あの二の舞いにならないようにフィロのスはアイドルフェスに出続けてたのでは?とも思ってしまします。

 

 

次に、展開が弱い

聞いているといつの間にか曲が終わってませんか?

同じメロディでも1番と2番で展開が異なると面白いですよね。間奏がかっこいいと最後まで聞いてしまいますよね。シンコペーションや予想できないフィルなどが入ってきたらニヤニヤしますよね。それがかっこいいと気分が上がりませんか?

新曲はここが弱い。面白い展開が全然ない。

あるとすればサビの1音上がる展開でしょうか。あそこは面白いアプローチですし、2番で繰り返した際に、転調した良さが際立ってました。

間奏が短いし、楽器隊がファイヤーしない。キメのリズムも超弱い。

8部音符だけリズムがないキメってどうですか?少し幼稚ですよね。

1番から2番のブリッジも何のために入れたんですか?落ち着きが欲しいんですかね。リズムをもうちょっと凝って欲しいです。

なんかもう展開が弱すぎて、「とりあえずこの辺にこういうの入れときゃ良いんじゃね」みたいな浅い意思を感じます。

 

 

次に、キーボードなどの上物が鳴りすぎ

ベースが全っ然聞こえません。

ベースラインが動きすぎて低音があっちゃこっちゃしてます。

上物ばっかり聞こえて、底支えが出来ていないように聞こえます。

こういうジャンルの楽曲ですからベースはドラムの次に重要でしょう。

作られた方はたぶんキーボーディストじゃないですかね?弦楽器やってたらあんな弱いおいしくないフレーズ弾かないですよ。

この曲をライブで弾くベーシストは悔しい思いをしそうです。

 

 

次に、ダイナミクスがない

どこを聞かせたいのかわからない音色/ミキシングでした。

どちらかというとメロディよりもトラックを聞いているsmithなので、メロディのダイナミクスはあまり意識していません。

楽器隊はどこが美味しい場所なんでしょうか?Bメロのピアノのキメしかおいしくないですよ。何でBメロピアノが重要で、サビのベースが前に出てこないんですかね。

楽器弾いてる人からすると「ここらへんが盛り上がり、盛り下がり」というのをすごく意識していて、ギターならばカッティングのタッチひとつすら変化するんですよ。

それが全然聞こえてこないんです。だから何のために弾いてるのかわからなくなってくる=聞き手smithは何が面白いの?となってしまいます。

 

 

「ドント・ストップ・ザ・ダンス」は名曲になれるのか?

総括すると”物足りない”となります。

フィロのスのファンは耳が肥えすぎなのでしょうか。ファンでも楽曲コピーをする人たちも多いし、楽曲クオリティの高さである程度素養が出来上がってしまっているので、物足りなさを感じてしまうのでしょう。

楽曲はやはり宮野弦士に軍配が上がるでしょう。

でも、非常に褒めたいところもあります。

 

それはハードルが上がりまくったフィロのスの新曲をよく作った、ということです。

相当なプレッシャーの中作っていると思いますので、今回の賛否両論を受けて、だんだんと方向性を形作って欲しいと思います。

 

実際、アイドルは楽曲だけで左右されるものではありません。

この新曲がクマリデパートや虹コンが出してきたら相当な衝撃です。

結局アイドルは楽曲だけでなく、ルックスや声、バックストーリー、キャラなどいろんなものが混ざって形作られるのです。

そう考えると、メジャーデビュー曲に、今まで携わっていないクリエイターが何とか聴けるレベルまで持ってきてくれた、それだけで感謝です。

新規向けとすれば出来は問題ないとも言えます。

フィロソフィーのダンスがどこまで成長できるか期待し、後に名曲と言われるようになるかは、今後の活躍次第というところです。

いろいろたくさん書きましたが、ファンクラブはやめませんし、ライブにも行くと思います。

しかも、カップリングには児玉雨子や小林ファンキ風格のギターなど、まだ発表されていないものもあって楽しみです。

 

モヤモヤを抱えながら繰り返し聞いて応援したいと思います。

chokkakuさんや船山基紀が作ってくれたら面白そうなんですよねぇ