趣味を仕事にするということ ~人生の目標を叶えるまでとその先~

趣味を仕事にするということ ~人生の目標を叶えるまでとその先~

2024年12月31日 0 投稿者: smith

smithです。

昨年転職をして、音楽業界で働き初めて1年が経ちました。

人生の目標であった音楽に携わる仕事に着くことができたのですが、それが良かったのか、悪かったのかを書こうと思います。

 

生い立ち〜転職

両親共に音楽が好きで音楽に触れる機会が多い環境で育ちました。家族とのドライブではZARDや高橋真理子など古き良きJPOPが流れており、初めて連れて行かれたコンサートは聖飢魔IIだったり、父親がリビングでマイケルジャクソンを熱唱していたりと音楽が生活と強く結びついていました。そうすると自然と「ピアノを習いたい」「スクールバンドでサックスをやりたい」「バンドでギターがやりたい」と楽器を演奏する方向に興味が向いていき、楽器演奏が趣味になりました。

同時期にオーディションTV番組ASAYANが流行りだし案の定アイドルにハマり、高校生のころには遠征したりして両親を悩ませたこともありました。裏側にどんどん興味が沸いていき、ミュージックマガジンを読むようになり、音楽業界の構造を調べるのが大好きになりました。その頃から音楽業界の裏側の人間になりたいと思うようになりました。

 

大学は音響の研究ができる工学部へ進学しました。バンドサークルに入ってオリジナルの曲を作り、全国のタワレコにCDが並んだこともありました。バンドは辞めちゃいましたけど。

就活では音楽業界への携わり方がわからず、レーベルや事務所の門を叩くことはせず、個人の夢を押し殺して車載機器メーカーへ就職しました。

車載機器メーカーではありましたが幸運なことに音響部門が存在し、音響機器も世に出していました。せっかくならその部門に携わりたかったものの配属されたのは品質保証部門(QA)。

開発や企画のようなキラキラした憧れの仕事ではなく、泥臭く生真面目さが求められる仕事でした。毎日コツコツと積み上げていく作業は自分の性格には合わず、改めて自分は人生で何をしたいのかを深く考えました。結果やはり「音楽に関わる仕事がしたい!趣味を仕事にしたい!」と強く思い、音楽業界に携わるためのロードマップを立てました。

音楽業界に携わるためのロードマップ

音楽業界の仕事は色々あります。私は”直接的にレーベル/事務所に向かう道”は仕事のバックボーンを顧みて早々に諦めました。自分のキャリアを活かして音楽業界へ携われないかを重視しました。音楽業界の携わり方を考えた結果、エンジニアリングのアプローチが浮かびました。当時IT業界/製造業界はエンジニアの超売り手市場で、エンジニアとして特化している人材を求められていました。音楽業界はDXが遅れていたものの今後エンジニアリングは必要になると確信していました。

 

当然品質保証というスキルセットのみでは転職市場ではウケが弱く、エンジニアとしても従事したことはないので、他業種へ転職するのには戦う相手が多すぎました。その当時25歳で、音楽業界へ進むための残された時間は少なく、エンジニアに深く従事するには時間がなさすぎます。

私が選んだのは”質より量のキャリア”でした。従事した期間が短くとも、下流〜上流まで全部経験すれば重宝されるのではないかと。QA⇨SE⇨プログラマー⇨開発リーダー⇨営業⇨商品企画の流れでキャリアを積めば唯一無二のキャリアになり、転職のスキルセットをクリアできると。これが私の音楽業界に携わるためのロードマップです。

実際には計画した流れではなかったものの社内転職を繰り返し、QA⇨新規事業企画⇨法人営業⇨開発リーダー⇨プログラマー(Android)⇨SE⇨プロジェクトリーダー⇨商品企画(プロダクトマネージャー)と様々な経験をしました。

 

プロダクトマネージャーに従事しているあたりから転職サイトに登録し、志望業界にエンタメ業界の”チェックマーク”のみを付け、毎日調べていました。結果、見事音楽業界へジョインできたのです。

中の人になったからこそわかる業界知見や経験が日々あり、趣味にも繋がっており、毎日毎日夢が叶ったと噛み締めています。

 

趣味を仕事にした結果

仕事自体はプロダクトマネージャーという立場で、普段はサービスのGrowthUpにコミットしていますが、他にも会社経営やコンテンツ制作にも参画しています。

 

結局のところ、楽しいだけが夢の仕事じゃないです。

 

深夜まで仕事はしますし、ステークホルダーやコンテンツホルダーへのケアに忙殺されます。

結局音楽業界も商売なので売りが大事です。売上と好きは比例もしないし、相関もしないんです。好きだからこっちの方がいいと思っていても、売上的には好きじゃない方の選択をしないといけません。

 

好きが正解じゃないんです。

 

好きで表現してたものが誰かを傷つける可能性だってあります。

 

しんどいことだけなのか?

それでも楽しいことは多々あります。

趣味レベルだった時よりも入ってくる情報の量が4~5倍に増えますし、裏側を見ることができます。知らなかった業界の仕組みを知ることができますし、コンテンツホルダーとの距離がかなり近いところまで行けます。

でもそれは口外してはいけません。

インプットの量は増えてもアウトプットの量は変わらないのです。むしろ減った気がします。

生産に携われるやりがいは大いにありますが、自分なりの表現に乗せて寸評することはできません。

 

消費者の立場で寸評してるのが一番良いかもしれない

マーベルコミックでよく出てくる「大いなる力には、大いなる責任が伴う」ってやつです。別に大いなる力は持ってはいないけど、生産に携わるということは回り回って、大いなる力になりかねないです。

 

コラムや寸評をしていきたい人は、業界に入り込まずに責任も権威も何もない立場が一番いいです。責任を問われることはないのだから。

アンテナを張って深く深く知ることで考察していきたい人は自己顕示欲を捨てましょう。私はまだまだ捨てきれていないです(こうやってブログを書いてしまっているのだから)

 

人生の目標のその先

人生の夢を叶えたその先に何があるのかと思っていましたが、特に変わりませんでしたよ。それでも音楽は大好きです。

なんならもっともっと音楽が好きになりました。

 

今後は自分なりの思いを生産過程にもっと入れれるようになれたらいいなと思います。でも業界貢献とかいう大それた話ではなく、自分の思いに耳を傾けてくれる人を作れたらいいなと思います、誰も傷つけない形で。

 

最後に

裏側が見えると嫌な部分が見えるから趣味を仕事にするのは嫌だっていう意見たまに聞きますが、好きだからこそコミットできるものは興味のない人より圧倒的に多いです。パフォーマンス高く仕事できます。それは間違いない。

 

趣味を仕事にすることを強くおすすめします。

もっと好きになれるので。